Here comes The storm

『ブルーに生まれついて』を観ました。

実在したトランペット奏者&シンガーのチェット・ベイカーについての伝記映画です。

酒!タバコ!女!ドラッグ!!

チェットは、手にした名声によるプレッシャーから薬に溺れ、その金を踏み倒したがために襲われ、

トランペット奏者の生命線である顎の骨を砕かれ、前歯も失います。


文句なしのろくでなしです。


果たしてどん底を彷徨うチェットですが、

ある女性と出会ったことで、再起を図ります。

ドラッグを断ち、バスタブが真っ赤になるほど血を吐きながらトランペットを練習し

田舎の小さなステージで演奏しては「もっと練習してから来てくれ」と言われ

チェット・ベイカーであることを疑われる日々…


しかしチェットは、トランペットにかけました。

そして、かつて立った大舞台・バードランドへの出演を、再び掴み取ったのです。


バードランドは、過去にジャズ界の重鎮から手痛い仕打ちを受けた場所。

チェットはそのトラウマを克服し、自信を取り戻すことができるのでしょうか。



さて、このチェット・ベイカーの吹き替えを、咲野さんが担当してらっしゃいます。

チェット・ベイカー役のイーサン・ホークの熱演と、咲野さんの熱演があいまって

見た後に忘れられなくなります。

映像は美しく、ワンシーンごとにまるでデザイン画のようです。

チェット・ベイカーに内包された、悲しさ・さびしさ・甘え・戦慄・弱さ

そんな人間くさいものが、海の青や血の赤などの映像美とともに

脳裏から離れない映画です。


最後の歌のあと

かすれて聞き取りにくいほどの

咲野さんの一言を、どうぞ聞いてみてください。



(ちなみにこの作品で咲野さんが歌ってらっしゃいます:会長)

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